石川県教育研究集会


 県教研開かれる!!

10.22(金)〜23(土)  七尾


全体会の様子を紹介します。

<全体集会>
【開会宣言】(岡島さん)

【緑の山河斉唱】


【主催者あいさつ】(川淵尚志 県教組委員長)
・子どもたちが被害者であり、加害者である事件がおきている。人とひ人とのつながりが希薄になった。子ども世界にも競争原理がはいってきている。いろいろな事件は社会の病理としてとらえなけれでいけない。教職員は積極的に保護者地域のみなさんとつながっていくことが大切。「競争より共生を!つながることのすばらしさ」を本集会で確認したい。
・憲法にほしょうされている義務教育を財政的にほしょうしている義務教育国庫負担制度が危機に瀕している。
・教育基本法も改悪されようとしている。戦前回帰といえる。今まさに教育の危機としてとらえ、はねかえす運動を構築していかなければならない。
・教育実践を出し合い、元気をもらい現場にかえる。それが教研集会の意義。実りある集会になるように。

【歓迎のあいさつ】(前田一章 七尾鹿島支部委員長)
・あまり会場がわかれないように知恵をしぼり、石政連議員の古田さんに協力していただき旧七尾短大を使うことができた。
・七尾、和倉温泉でゆっくりしてください。

【来賓のあいさつ】
(松浦正武 七尾市教育長職務代理)

・七尾にようこそ。この10/1に新七尾市となった。6万4千の人口となった。小丸山城はじめいろいろなところがある。
・今、教育が揺れている。いろいろな施策が生徒、子どもたちにどうであるか、みなさんたちといっしょに吟味していきたい。

(上田ひろし 連合石川事務局長)
・日ごろの協力にお礼。先日、桑原ゆたかの飛躍パーティを七尾でおこなったところ。
・昨日、知事に64項目の要請をした。30人以下学級のこと、高校の学区制廃止の問題、教育基本法のこと、学校運営協議会のことなど。 本研修会でも充分論議してほしい。
・県教組、高教組とともにとりくみを展開していきたい。連合も地域に開かれた顔の見える労働運動にとりくむ。

【基調報告】(角谷まさと 高教組教文部長)
・教育をめぐる極めて厳しい状況のなかでの開催となった。仲間と集い、互いの教育実践を鍛えあうことをとおして、子どもたちに豊かな未来を保障する教育を確立しよう。
・「空気になれたら楽なりに」「こんな競争のなかでは僕は生きられない」とつぶやく子もいる。子どもたちを分けない。子どもたちわつなげていく教育を創ることにこだわりたい。
・Yさんのこと。子どもの心をひらき、人間として生きることをはげます教育実践の創造こそが、今わたしたちに求められている。
・子どもたちの隠された思いにひびく授業をし、豊かな人間関係を結ぶことのできる「共生の学校」に創り変えていこう。

<アピール確認>(福島ともなり 七鹿島支部青年部長)
これまでの教育を否定する大きな流れに対し、教職員一人ひとりが地域、保護者のみなさんとつながり、とりくみをすすめる中から活路を見出したい。
・個人の尊厳を大切にした教育を!平和で民主的な教育を!競争より共生の教育を!そして、教育基本法を生かし、活かす教育を!

<記念講演>毛利甚八さん 
「桑田判事は今、なにを思うのか」〜漫画「家栽の人」の主人公の目を通して〜

・教育に関係のある本をたくさん読んでみた。先生は大変、と思った。
・少年の非行について、「戦後民主主義がだめ」とチャンスを捕らえては言われてきた。少年法の改正も行われた。しかし、本当に少年犯罪は増えているのか。凶悪化しているのか。子どもは変わったのか。わたしはそうではないと考えている。
・一番変わったのは大人。「自分はこう生きている」と子どもたちにしっかり言えなくなっている。地方が生き生きとしていない。農業が大変。「ちゃんとものを作って生きている」という「生産の現場」がなくなっている。バイパス資本主義。生活は不自由でもないが豊かでもない。東京に似た都市化がすすんでいる。「地方の生き方」が薄れている。
・輪島に思い入れがある。長崎県佐世保で生まれた。山村だった。知的障害を持つ人が近くにいた。おだやかな人。よくいっしょに遊んだ。その人がある時いなくなった。「輪島にうるし職人の仕事があって行った。」と聞いて感動した。そういう人を受け入れてくれる土地なのかと思った。
・ここにくる列車の中で校長先生をしていた人に声をかけられた。聞いたら、「30年前は集団就職をする子どもたちを差別していなかった。」と。中学校の先生は成績のいい子を自分の成績にしてはいけない。どの子もその道を生きがいにできるように指導してほしい。学校の中で差別されていた子どもたちが、人を差別するようになる。ホームレスの人を殺した中学生はそれ。
・学校の先生がいるので自分の成育史を語りたい。祖父は昔堅気の人。母と毎日衝突していた。母がわたしによそいきを着せ、歯医者にいくのに用意していたら、祖父がどなった。中3の時に友達が死んだのがショックで勉強しなくなった。日大芸術学部へ。
・学生のとき、よくキャンプをした。生き物を捕って食べることが自分の自信になっていた。自分と同じメカニズムが事件の少年にもあったのでは、と思れれれう。ただ、自分にはいっしょにキャンプを楽しむ仲間がいた。
・偶然、「家栽の人」の原作をかくことに。主人公を家庭裁判所の判事にした。少年法について学んだ。22条に「審判はなごやかに」と書いてあったが実際は・・・その現実をこえたものを書きたかった。桑田判事の話。
・取材で、調査管に大変なしめつけがあったことを知った。書類をたくさん書かせたりしての統制があった。裁判官も何も外で話さなくなった。「司法の冬」右派の裁判官や自民党が圧力を。人事差別により、たくさんの人たちがものをしゃべらなくなった。
・そこに「家栽の人」が登場。裁判官の人たちの集まりに呼ばれてびっくり。一般読者向けに書いていたのに、悩むようになる。現実の裁判官に影響を与えるのか、と。「家栽の人」を書いたことの意味は何だったのか。「家栽の人」は本当の事はなにもしていないのに正しかった。
・どういう状況の中で犯罪がおこるのか、冷静に捕らえられる大人でいよう。少年犯罪を大人がさわいでもしかたがない。担当者が一人ひとりに対応している。ここ数年の間に何の論議もしないまま、自民党はおいしい汁をすってきた。被害者のことを言うだけで、少年法を変えられた。憲法改正の第一歩であった。子どもたちが健全に生きていくということはどういうことかをぜひ真剣に考えてください。

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