06両性の自立と平等をめざす教育学習会


県教組 06 両性の自立と平等をめざす教育学習会
06.9.21 県教育会館
使ってみよう!教材集「わたし・あなた・みんな」
   

オープニング 歌 (沼田聡一さん) 「バラはあこがれ」
明るい歌です。授業で“物語の中でジェンダーを”教えていたときのこと。“男の子の理想像、女の子の理想像”を子どもたちと考えてみた。若い頃はどうだったかな?と思い出してみてください。わたしたちが子どもだったころは、どんなあこがれ、夢、理想像を持っていたでしょう。
♪かくしきれない悩みを誰にもうちあけられない時も・・・バラはあこがれ バラは僕たちの夢・・・♪

開会あいさつ、基調説明 (蔵岡洋子 推進委員長)
憲法、ジェンダーフリー、性教育へのバッシングが強くなってきている。そんなとき、わたしたちにできることは授業実践。授業実践を確かにしていかなければならない。


使ってみよう! 教材集「わたし・あなた・みんな」

@ 「かみしばい“ドロン!へんしんとうちゃん”」(家族のあり方について考える) 山井 聡さん(加賀 河南小)
・育休をとったことについて紙しばいをつくった。おもしろく、そして“こんな人もいるんだな”と感じてもらえばいい。長男を中心にかいてみようと思った。ぞうや怪獣やミイラ男がでてきたら楽しいかなと思った。
・いざ授業に使うとなるとどんな価値に結びつけるのか悩んだ。そこで、「家族のあり方について」という価値をつけた。最後に、子どもたちが自分の家族をふりかえり、“そういえば、うちのお父さん休日遊んでくれるな”“お母さんも疲れているのにご飯を作ってくれるな”と思ってくれればそれでよいのでは。
・授業の最後に、本人の手紙を読んでやることで、“ああ、このドロンとうちゃんは、ほんとうにいたんだ”と子どもたちはびっくりする。手紙を書いたので活用してほしい。(各支部に全文のデータがあります。)

「ドロン へんしんとうちゃん」を聞いてくれたみなさんへ
はじめまして、こんにちは。やまのい さとるです。
紙芝居を聞いて、みんなはどんなことを思ったかなぁ?「大変そうだね〜」と思った人がいるかもしれないねぇ。
・・・なかには、「へんしんとうちゃんって、変てこなやつやなぁ」と思った人もいるかもしれないねぇ。
どうして、かあちゃんではなくて、とうちゃんが子どもの世話をしたかというと、とうちゃんのぼくが3人の子どもともっともっともっともっと仲良くなりたかったです。・・・何か新しいことにチャレンジするとき、わくわくどきどきするよね。そのわくわくどきどきを味わいたかったというのもあります。
「え〜、男が子どもの世話〜!変な奴!」と思われるかもしれないな〜と思ったこともあるけれど、自分で決めたことだから、周りの人がどう思うかは、気になりませんでした。「これがぼくなんだ。」と思っていたからです。・・・・・・

みなさんの家でも、今より楽しさや幸せがいっぱいになるように、男とか女とか関係なく家族で力を合わせ生活を送ってくださいね。


A 「絵本ライブラリー」 越村安紀子さん (金沢 西南部小)
・「ぼくだけのこと」「へんなの」「アリーテ姫の冒険」は 読みきかせにいい。「へんなの」はいきものの世界のへんなのをみていくうちに、人間の世界のへんなのを感じなくなるお話。「ぼくだけのこと」は違うということはとてもすてきなこと、僕だけのことがすばらしいことなんだ、と感じられるお話。  
・「あなたが守るあなたの心、あなたのからだ」はワークシートとして活用できる。
・増田裕子の「ミュージックパネル」の「だれの洗濯もの」は拡大コピーして活用できます。洗濯物を「これだれの?」と着せていくとおもしろい。
・ふだん読んでいる本の中にけっこう出会うものがある。いろんな形で使って下さい。


B 「かるたをつくって遊ぼう!」(「自分らしく生きる」を考える)  田村泰子さん (金沢 三和小)
・子どもたちが作ったカルタを使って、まずは、カルタとりをしましょう!
・今からみなさんにカルタをつくってもらいます。お話(夢風船の)からでも。ふだんの生活からでも。
・みなさんのつくった読み札はとってもすてきです。これに絵をつけたら取り札になります。ダイナミックなカルタとりをぜひみんなでやってみてください。

たりでやったらたのしいね。
りがとう、言われてうれしい 家事仕事
とこらしく、女らしく、自分らしく
りたい仕事は 自分で決める
とうとと わたし 何がちがうの
カートは 男の正装 スコットランド
めつけないで いっしょに勉強 いっしょに手伝い
くにも りょうり 教えて 母さん
んとさん 同じ人間なんだけど
かあさん あなたは勉強 してないの
とこでも 料理が好きな 人はいる


C 「生き物の生殖と子育て」(性交もこういう切り口でなら)  沼田聡一さん  (石川  湊小)
・以前担任した子の妊娠、中絶を知り、性教育の大切さを再認識した。
・事前調査で性交についてしっている子は半数。男子はほとんど知らない。アンケート結果や子どもの反応に勇気づけられ、授業参観で授業をした。
・事前に保護者に対して性教育(エイズ教育)をしてもいいか確認すること。また、子どもたちに対しても、受けたいか受けたくないかを確認すること。

D こんな教材もあるよ
教材集T
「ひかるはひかる」(自分らしく生きる)
「黄色のキャンディー」(自分らしさ)
「どっちの競技?」(スポーツについて考える)
「わたしの仕事」(仕事観について)
「ゲームの中の不平等」(性別役割分業の体験)
「〜というものは・・・だ」(ジェンダーについて)

教材集U わたし・あなた・みんな
「“ノー”といおう」(性被害について)
「CMを調べてみよう」(メディアリテラシー)
「なかよしサッカー道場」(みんなが楽しめる体育)
「サンタのおばさん」(違いをみとめあって生きる)

06石川の夏休み帳
「自分らしく生きよう(4年)」
「“わたしブランド”のランドセルをつくろう!(1年)」


質問・感想     
・7月にクラスでかみしばいをした。カルチャーショックだったようだ。自分の生活に少しでもひきもどして考えられたらいい。育児の大変さも話題にでた。
・かみしばいの本人、山井さんのお顔を見れてよかった。育児は男の人がやっても楽しいんだよ、というのがひろまれば、育休取得者が増えていくのでは。
・カルタとりで出た「あたりまえのおとうさん」とはうちの息子のことば(笑)。「朝起きたら新聞読んで“ごはん”と言う」のが「あたりまえのおとうさん」と学校での他の子の話から感じたようだ。すりこみは大きい。夫と言わずに、“だんな、主人”“くん、さん”をあたりまえだと思っている人がいる。それを変だとすりこむ、かかわる人がいると、それがおかしいことに気づく。
・北ブロ教育課程の両性分科会に参加した。他県からの参加者は石川のかみしばいやかるたを興味深そうに見ていた。広まるといいと思った。わたしのクラスの教生ははじめ子どもたちを「くん、さん」と読んでいたが、今日は「さん」となっていた。心境の変化を聞いてみたい。

おわりのあいさつ (田村泰子 事務局長)
・山井さんに自分のクラスの授業参観に来てもらった。「すきなこと、やりたいことをみつけてやれるってすてきなことだと思いました。」という子どもの感想があった。ジェンダーフリーに関し、少しずつ紹介をしていっても、子どもはわかってくれる。何度も授業実践をしていくことが大切。出会いも大切。
・今日の内容を分会、支部で広めていってほしい。


<参加者の声>
・どの提案も、子どもたちが自分を大切に、そして自分とつながる人々を思いやりながら自立して生きていく人になってほしいという思いがベースに流れていることを知り、明日からの子どもたちの関わりの中で大切にしていきたいと思いました。・今回のような体験型の学習会はあまり経験がなかったので楽しく参加できました。
・5つの提案のどれもが自然に力強く参加者に入っていったのではないかと思います。
・教材となるものの丸投げでなく、授業をしてみて足りなかったところや教材としての厚みを持たせる方法を紹介されて、とてもよかったです。紹介された方法と自分のクラスにあう方法の引き寄せで子どもたちに柔軟性をもたらすことができるようにとりくんでいきたいです。 
・“かみしばい、ドロンへんしんとうちゃん”の山井さんの顔を見れるのが楽しみでした。育休を取る男性がますます増えていくといいですね。 
・もっともっと時間をとって質問や討論ができればよかったです。まだまだ奥の深い部会だと思います。
・すぐに授業で使えそうな教材集なのに、なかなか実践できない現状ですが、構えることなくできることからしていけばいいのだと今さらながら思いました。育休をとりたいという初任の男性がいるので、それを実現できるよう、誰もが自分らしく生きることのできる職場に社会にしていきたいです。

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