06県教育研究集会アピール


 

06県教育研究集会アピール   06.10.20

いまこそ、「現場からの教育改革」を

 平和憲法と戦後民主主義、民主教育を否定する新政権が発足しました。近年、学校をとりまく環境はますます厳しくなり、意思疎通もままならない多忙な学校現場となっています。そんななか、子どもたちの学ぶ意欲を高めることが難しくなり、教職員の悩みも大きくなっています。

 社会のあちこちで教育論議がさかんに行われていますが、一番残念なのは子どもが中心にすえられていないこと。「社会に役立つような子どもを育てる」といった大人の都合が見えかくれするなか、子どもたちをますます競争に追いやり、深刻な学ぶ意欲の減退をひきおこしています。教育改革を論ずるならまず、子どもたちを知ること。未来につながる希望があれば子どもたちはがんばれるのです。「あなたはあなたでいいんだよ」「あなたはあなただからいい」と子どもたちに言ってあげたい。「わたしはわたしでいい」というおもいを支えるのがわたしたち大人の役目です。

 近年子どもたちの周りから急速に失われたのは、「安心できる家庭・地域」。わたしたち大人も、どれだけ家族とすごしているか。地域とどうかかわっているか。家庭・地域・学校の教育力があいまってこそ子どもは育ちます。仕事優先の社会のあり方に大人も子どもも追い込まれています。わたしたち大人は家庭、地域に帰りましょう。家庭・地域・学校で大人どうしがつながり、子どもたちとつながり、話を聴く。子ども・保護者の声を聴くところから、わたしたちの教育研究活動は始まります。

 先輩から受け継ぎ長い間つみあげてきた教研活動は、わたしたちの大きな財産。子どもたちのため、なかまのため、地球のために、平和と民主主義・基本的人権の尊重を基調に討論し、交流してきました。わたしたちの教研活動の歴史は、人を差別し心を支配することへの怒りであり、仲間を思いやることの大事さと、違いを認めあいともに生きることのすばらしさを追求すること。それを自分たちの任務として熱く語りあってきました。厳しい状況をきり拓くのはわたしたちの教育研究運動。今こそ自信と誇りを持って1歩1歩ふみだそうではありませんか。

 わたしたちは、子どもたちの平和な未来に責任をもつ大人として、教育に責任をもつ大人として、目の前の子どもたちを中心にすえて「現場からの教育改革」と実践をしたたかにおこなっていきましょう。憲法・教育基本法の理念の実現をめざし、これまで以上に子ども・保護者・地域住民とのつながりを強めながら、人権・平和・環境・共生を大切にした教育研究活動にとりくみ、その成果や問題点を社会に積極的に発信していきましょう。

2006年10月20日
県教組第56次・高教組第51次・私教労連第43 次石川県教育研究集会


          
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